もう一つの引退 | 谷澤英彦 公式ブログ - Stage Coach - | 史上最年少の17歳で全日本テニス選手権優勝、ナショナルチームコーチの谷澤英彦のブログ

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2009.11.29

知代(高岸)が全日本を最後に引退してしまったことをいつか書きたいと思っていましたが、今日になってしまいました。

知代がSSCに来たのは中1の時。最初は米ちゃん(神尾)に連れられてやってきました。しばらくして知代の担当になりコーチングをするようになりました。わがまま(選手として良い意味で)で、不器用な知代には苦労することの方が多く、振り回されっぱなし。まだコーチとしてキャリアの浅かった私は「コーチってこんなに大変なの!?」とその奥深さを痛感したのを覚えています。

練習で上手くいかなくては泣き、試合で負けては泣き、とにかくなだめることがばかりだったように思います。それでも私の堪忍袋の緒が切れてブチ切れたこともあり、冷却期間ということで担当を外れたことも何度かありました。

その中でも一番覚えているのはジュニア最後の1年。中牟田杯で優勝しながらもその後は思うような結果が出せず、目標としていたプロになるためには今の成績では微妙なラインでした。知代は勝たなくてはというプレッシャーから調子を落とし、8月の全国大会を前にした6月の関東大会でまさかの1R負け。とても普通の状況ではなく、メンタルも技術もボロボロ。

しかし、プロになるための夢を叶えるためには時間が残っていません。泣いても喚いても仕方がないのでひたすらに練習をしました。休みも何も関係なくコートに立って、ラストチャンスを掴むためにお互いが必死に取り組みました。

そして迎えた8月、何とか調子は取り戻したものの、そう簡単には勝つことが出来ずインターハイはベスト8。半ば諦めて臨んだ全日本ジュニアでようやく開き直ったのか勝ち進むことが出来ました。この時、試合を見に行くことが出来なかった私は毎日祈るようにして結果が届くのを持ちました。結果はジュニア最後の大会で決勝進出。決勝もファイナルタイブレークとチャンピオンまで後一歩と迫り、最後の最後でプロになるためのきっかけを作ることが出来ました。まさに崖っぷちからの逆転劇。努力して掴み取ったプロ入りでした。

そこからはプロになる段階でお互いに気持ちの面で行き違いがあり、結局は離れることになってしまいますが、私にとってもその時出来ることを無我夢中になって取り組み、その成果が出た時の喜びがどれだけ大きいかが分かりましたし、コーチとしてもすごく自信を付けさせてもらいました。本音を言えばプロになっても一緒にトッププロになることを目指したかったですが、今となってはお互いの決断が正しかったと信じるしかありません。

今年の全日本はビックネームの引退が続いて言い出しにくかったと思います。確かにコロシアムでセレモニーをしてもらえるような選手にはなれなかったかもしれないけど、不器用な知代がここまでやったのだからベストは尽くしたと思います。

厳しかった顔つきも引退と同時に優しい顔になったのが印象的でした。元々は勝負の世界に生きるタイプの子ではなかったので、やっぱり今まで無理して自分を作っていたところがあったのでしょう。残念だけど、やり残したことがなければ年齢は関係ない。今がその時だと思います。ゆっくり休んで怪我治してね。お疲れ様でした。

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  • 当たり前のことですが、プロの方も見えない所で
    努力、辛いこと、悔しいこと、・・・
    色々な事があるのですね。
    高岸さんのプレーは見たことがありませんが(ごめんなさい)
    今は満足感で一杯でしょうか?
    これからもテニス・それ以外の道でも
    頑張って下さい。

  • てらおさんのブログで高岸さんを知り、華のあるプレーヤーだなぁと思い、残念ながら生では拝見できませんでしたが、動向は気にしてました。なかなか、結果が出ず、色々試行錯誤を繰り返しながら、頑張っている内容のブログが印象的でした。早すぎる引退だったなぁと思います。
    TVなどのメディアだとほぼ勝者しかスポットライトがあたりませんが、こうしたブログやネットというメディアは、(言い方悪いですが)勝者も敗者もリアルに出てしまうので、時として残酷ですが、プロの厳しさとそこから這い上がったすばらしさを感じられる。ここ数年、自分がみなさんのブログを好んで拝見しているのは、そのせいかもしれません。
    とにかく高岸さんには今後も是非テニスに携わったすばらしい人生を送っていただきたいと思います。

  • プロ一年生から応援してきた知代ちゃんの引退は、衝撃的でもあり、ある意味ファンとしてそろそろ覚悟をしていたかもしれません。
    プロ二年目の大スランプはご両親から状況を聞いたことがあり、プロの世界の過酷さを知ったものです。
    どんな辛いときでもファンへの笑顔は忘れられませんね。
    ジュニア時代谷澤さんがコーチをしていたのは初めて知りました。
    昔知代ちゃんと宏紀くんのツーショットを撮ったことがあります。つながっているんですね!!

  • コメントをいただいた皆様へ
    コメントありがとうございます。
    知代はプロになってからもたくさんの方に
    応援してもらい幸せだったと思います。
    これからもテニスに関わった活動をして
    くれたらと思います。

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谷澤英彦
1989年、史上最年少の17歳で全日本選手権優勝。元デビスカップ日本代表。ナショナルコーチとして06年に14歳以下男子の監督としてチームを世界2位に導く。NHKのテニス放送では解説を務める。
テニスカフェにも出没中。

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    コメントをいただいた皆様へ コメントありがとうございます。
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    プロ一年生から応援してきた知代ちゃんの引退は、衝撃的でもあり
    (by kamonabeさん 11/30)
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    てらおさんのブログで高岸さんを知り、華のあるプレーヤーだなぁ
    (by まささん 11/30)
  • もう一つの引退へのコメント
    当たり前のことですが、プロの方も見えない所で 努力、辛いこと
    (by 勝とうさん 11/30)