コーチ | 谷澤英彦 公式ブログ - Stage Coach - | 史上最年少の17歳で全日本テニス選手権優勝、ナショナルチームコーチの谷澤英彦のブログ

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2010.9.26

鹿島⇨甲府⇨高松⇨阿蘇。先週は色々な所でジュニアに対するレッスンをさせていただきました。

今回はテクニックよりも気持ちの部分、特に真剣に練習に取り組むとはどういうことかを伝えたつもりでいます。簡単に言えば練習に対する「姿勢」です。精神論的なことはあまり好きではありませんが、若いジュニアがプレイヤーとして成長していく過程の中では必要なことだと思います。

テニスのレベルではなく、みんなテニスに対してもっと夢中にがむしゃらになることが大切なのだと思います。諦めずにボールを追うこと、一球一球を大切に狙う意識を持って取り組むことが基本。その上で人の話を聞く耳を持てば上達のチャンスは広がります。

そういった意味では甲府の石井TAのジュニア達は良い取り組み方が出来てきているように思いました。(石井プロに言わせればまだまだと言うでしょうが)これにはやはり勇紀が入ったことによる影響もあるでしょう。言葉で引っ張るタイプではありませんが、黙々と取り組む姿に他の選手は尊敬と緊張感を持ちながら練習することが出来ています。勇紀のような選手が一人いるといないのではチーム力は全然違ってきます。

後は影響を受ける選手となるのか影響を与える選手となるのかこれは大きな問題です。若い選手には変われる可能性があることに期待してみんなにエールを送りたいと思います。

2010.4.12

今日からブログを再開したいと思います。休み中は皆様から色々な形でご心配していただいたり、多くの方からコメントもいただきました。本当に感謝していますし、励みになりました。最近は本文を書くことが一杯一杯でコメント返し出来ていなかったので、この場でお礼を述べたいと思います。

少し時間を置いて考えてみると、宏紀の結果が思うように出なかったこと誰よりもがっかりしたことは事実で、精神的にもかなり引きずりました。共に闘うという意味では選手の負けを選手と同じくらい、時には選手に以上に受け止めるということは大事なのかもしれませんが、一方では感情が入り過ぎてしまうが故にコーチとして必要な「客観的に見る」ということに欠けてしまいました。

プロとして活動を始めた宏紀との2年目のシーズン、プライベートなコーチとして過ごす中で少し距離が近くなり過ぎてしまいました。良くも悪くも気を使い、相手の気持ちを考えるようになり、言いたいことも言わず、ただ自分が選手の時に果たせなかった夢を託しているだけになっていたように思います。それは宏紀には全く関係のない話ですし、宏紀には宏紀の人生があります。これからは宏紀自身が自分の夢や目標を達成するために勝つことに対してもっともっとハングリーになっていかなければということに気付きました。

なので筑波ではシングルスで負けた後はサポートはせず、私は帰り、宏紀は1人で会場に残りました。悪いイメージの残る会場に居続けなければならない苦しさは本当に辛いことです。しかも、周一(関口)やヤス(内山)が勝ち残ってる姿を目の前で見ることは自分自身への歯痒さを何度も何度も感じたと思います。しかし、それは自分自身で背負った敗戦。自分の評価を再び高めるためには今の10倍の勝利を積み重ねていくしかありません。そのためには1年目と同じような勝負に対する欲を出すこと、選手としてプロとして周りからのサポートを受けるだけではなく今以上に自立して積極的な行動をしていくことが必要です。

そんな中、パートナー亮(岩見)から最大限の助けを借り、ダブルスで初めての優勝をすることが出来ました。今の宏紀の実力から言えば今回の優勝は完全に亮のおかげです。シングルスの日程が詰まりタフな試合が続き体力的にも苦しい中、宏紀の自信回復のために身を削ってくれた亮にただただ感謝です。この勝利を次へつなげ、立ち直るかどうかは本当に宏紀自身です。先輩にここまで助け舟を出してもらった訳ですから、亮の思いに応える男気を見せて欲しいと思います。

今後の宏紀ですが、来週からヨーロッパへ向かいます。まずは「風のふくまま気のむくまま・・・」の濱浦貴光氏のサポートを受けドイツ・ハンブルグで練習し、その後はイタリアのフューチャーズを転戦します。クレーでのプレーを含め、環境面では肉体的にも精神的にも厳しい連戦になると思いますが、いつまでも日本やアジアのフューチャーズでプレーしているだけでは世界からはどんどん遅れてしまいます。濱浦くんには途中までサポートしてもらいますが、その後は自分一人で転戦するので、どんな結果になろうとも例えポイントが取れなくてもここで戦い切ることで一皮剥けるチャンスになるでしょう。

そうやって少し距離を置き、遠くから見ることで私自身も客観的に見ることが出来るようになると思います。環境を変えることで問題を解決することは安易なことかもしれませんが、ヨーロッパでプレーするということは絶対に間違いではないですし、いつかはトライしようと計画していたことなので、今がそのタイミングだと信じて送り出したいと思います。

そして私の活動は今日からフェドカップのコーチとしてNTCでの合宿を得て、来週スロベニアに入ります。今回の合宿はフェドを戦う選手は会場のサーフェスに合わせてクレーで、それ以外のジュニアや学生はハードコートで強化を目的とした練習となります。デ杯合宿と同様に練習以外にも様々なトレーニングや知識を広めるための講習会とびっちり予定は組まれています。いつまでのも引きずってコーチがしけた顔していても仕方ないので、切り替えていきます。まずはチームの一員として自分の役割をしっかりと果たし、マレーシアでの戦いと同じような一体感が出せれば良いなと思っています。

2009.12.23

今日の甲府は暖かく、過ごしやすい一日でした。先週ゆっくりと休み気分転換が出来たこともあり、仕事に対する意欲が高まったように感じます。リフレッシュすることは働く人全てに必要なことですね。普段は何とも思わないことも疲れている時には素直になれなかったり、反発してしまうことも出てくると思います。

コーチと選手も人間なので、時としてもこういった感情の行き違いやコミュニケーション不足から信頼関係にヒビが入ってしまうこともあります。特に日本での師弟関係は「だまってついてこい」的な有無を言わせない関係が多く、「言わなくても分かる、伝わっているはず」という思い込みから誤解が生まれるのでしょう。

そんな誤解が大きくなると選手は「冷たくされている、嫌われている」とよからぬ心配をしたり、「味方がいない、頼れる人がいない」と孤独を感じ、そして最後にはちょっとしたことが」引き金になっていつもなら聞き入れることが出来る言葉でも素直に話を聞き入れることが出来ずに反発してしまいます。

コーチもコーチで自分の気持ちを素直に伝えることが出来ずに意地を張ったり、ムキになって大人気ない対応をしてしまいます。私もこういったことで選手との関係がうまくいかなくなってしまったこともありました。

ただ言えることはコーチが選手に厳しいことを言うのは憎いからではなく、成功して欲しいから。自分が関わっている選手の負ける姿は見たくはないですし、一緒に戦う仲間として最大限のサポートをしたいという気持ちの表れです。決して敵ではなく、同じ目的に向かって進む「味方」です。煮詰まってしまった時はお互いの気持ちをオープンにして素直に思いをぶつけることでまた新たな信頼関係を築いて欲しいと思います。

ここまで書いておいて何ですが、今日のは一般論ではなくて思いっきり自分の体験談ですね(笑)多くの経験を積んだ今ではもうそんなことはないと信じたいですが・・・。

2009.11.28

今日もNTCでの一日でした。12月12日には「マスターズクラシック」があるので、そろそろ昔の勘を取り戻さなくてはいけません。ストロークやボレーに関しては選手と打ち合うこともあるのでボールを打つ感覚はありますが、サーブやスマッシュといった上の動きはあまり打つ機会がないので、今日から少しずつ練習です。

今日はPearlさんよりこんなコメントいただいたので、ここでお答えしたいと思います。

数日前のタイトルが「観戦」でしたので、それに関連した質問をさせていただきます。試合観戦中のコーチには、常に冷静で感情を表に出さなかったり、反対に喜怒哀楽を前面に出したりといろいろなタイプの人がいますが、守屋くんやジュニアの試合を見守っている時の谷澤さんはどのようなタイプなのでしょうか。守屋くんの控えめなガッツポーズの真似をしながらライブスコアで応援しているのですが、そこに谷澤さんの姿も想像できると、応援も一味違ったものになるかもしれないと思いまして・・・。

実は私も豊田から帰る際にちょうどこの質問と同じようなことを考えていました。それは電車の中の広告に「支えるのではなく、共に闘う」というスポーツトレーナーや鍼灸師などを養成する専門学校のキャッチコピーがあり、それがずっと頭に残っていたからです。まず、私の場合は「支える」というところが「導く」というセリフになるだろうと思いました。そして、最近宏紀の試合を見る度に胃が痛くなり、頭痛がするのは共に闘っているからだと思いました。

宏紀のジュニア時代は勝って当たり前というくらいの勝率(国内では)があったので、ムキになって応援するよりも冷静にプレーを分析するということが出来ていましたが、プロになってからは毎日が勝負。今日勝てるという保証はない状況の中で試合をしているので、自然と声を出して応援したり、拍手するようになってきました。日本ではタブーな感じになっているので、けむたがられるかもしれませんが最近では恥ずかしくなくなってきました。そういう意味では昔は周りから見ている感覚だったのが、今は一緒に戦っているんだなと気付きました。

もちろん、日本人同士の対戦や会場の雰囲気を見て空気を読みながらやっていますし、喜怒哀楽を出しすぎると選手のプレーにも影響するので出来るだけ我慢はしています。(だから余計に疲れるのかも!?)後は冷静に見て、忘れないようにメモを取ることもしています。そう考えると色々とやることがあり、落ち着き無く見えるでしょうね。本当はクールに決めていたいのですが・・・。しばらくは無理そうです。


2009.11.26

これまで毎日のように報道され、ズバズバと予算を切り裂いてきた事業仕分けですが、ついにスポーツ関連の事業にもメスが入りました。これまでは「無駄なものは削ればよい」という感じでテレビを見ていましたが、いざ、自分が関わっているものが「縮減」されると緊張感が一気に上がります。

私が関わっている日本テニス協会での強化事業は多くの部分で国からの補助金を受けているものばかりで、特にジュニアの遠征などは完全にこれに当てはまります。逆に言うと国からの補助があるから遠征が出来ているのです。今回の縮減が現実のものとなればテニス界だけでなくスポーツの現場において大きな景況が出てくるでしょう。

どうみても経費の無駄使いをしてるのであれば見直されなければいけませんが、我々は数百円の経費でも領収書をもらい、遠征が終わる度に山のような精算書、報告書を提出しています。しかし、我々はそれを国の予算を使っているから当然だと思っていますし、出来るだけ無駄使いはしないように心がけています。

スポーツにお金を使うことは本当に無駄なのでしょうか。北京オリンピックが終わった後の総括では諸外国との強化費の違いがクローズアップされ、日本はもっと強化費を増やすべきだという選手団長のコメントが今も記憶に残っています。

お金をかければ必ず強い選手が出せる訳ではありませんが、わずか数十分の議論でジュニア選手の将来が決まってしまうことが残念で仕方ありません。科学技術分野の事業でも同じようなことがあり、当初は歓迎ムードだった事業仕分けも徐々に批判的な声が大きくなっているような気がします。

日本の将来を決める大きな問題です。もう少し時間をかけて正しい判断をして欲しいと思います。

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プロフィール

谷澤英彦
1989年、史上最年少の17歳で全日本選手権優勝。元デビスカップ日本代表。ナショナルコーチとして06年に14歳以下男子の監督としてチームを世界2位に導く。NHKのテニス放送では解説を務める。
テニスカフェにも出没中。

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