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試合の見どころとWOWOW

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「ありえなーい!」のオンパレードは、1月16日午前8時50分~ WOWOWもテニスナビも見逃せない

◆クルム 伊達公子、森田 あゆみが早速登場
ナダル、フェデラー、ウォズニアッキやクライシュテルスなどスーパースターの競演◆

1月16日に初日を迎える全豪オープンのスケジュールが発表された。日本勢はまず女子が登場する。第8コートの第1試合にクルム伊達公子、第2試合に森田あゆみが入った。

クルム伊達の相手はギリシアのエレニ・ダニリドウ。両者の過去の対戦はないが、ダニリドウはスライスを得意とし、また攻守の切り替えの早い選手で、ペースを握らせると厄介なタイプだけに警戒が必要だろう。この数年は故障などで波が大きかったが、地力はある相手。油断せずに勝ち切りたい。

森田はチェコの第32シード、ペトラ・チェトコフスカとの対戦だ。両者は昨年のニューヘブンの大会で対戦があり、その時は森田がストレートで敗れている。チェトコフスカは持ち前の強打を生かすテニスを見つけた昨シーズンに、一気にランキングを上げてきた選手。フォアが持ち味だが、チェコの選手らしく基礎的な技術はしっかりとしたものを持っている強敵だ。しかし、スピード勝負に持ち込めれば森田にも分がある。成長した森田が武器である強打を使える展開に持っていけるかが見どころだ。

上位シード勢は男子がナダルとフェデラー、女子は第1シードのウォズニアッキや昨年覇者のクライシュテルスなどが登場する。

注目はやはりクライシュテルスだろう。対戦相手のマリア・ホア・コーラーは予選からの出場で、土居美咲とフルセットを戦った選手だが、この試合の注目は試合の勝敗以上にクライシュテルスの仕上がり具合。昨季の全仏では傷めていた足首の影響もあって打球に体重が乗らず、ゲームを支配できないまま2回戦で敗れていたが、グランドスラム大会はその全仏以来となる。最後のシーズンとも噂される今季のスタートをいい形で切るには、まずは初戦が大切になる。彼女がどんな試合を見せるかに注目したい。

大会は現地時間11時(日本時間9時)スタートで、ロッド・レーバーアリーナとマーガレット・コートアリーナには19時スタートのナイトセッションが組まれている。
ロッド・レーバーアリーナではフェデラーとウォズニアッキの1回戦の2試合、マーガレット・コートアリーナではナルバンディアン対ニエミネンのベテラン対決が入っている。
大会2日目 ★錦織圭が第1試合に登場!
~ジョコビッチ、シャラポワ、セリーナ・ウィリアムズなどが初戦を戦う~


全豪2日目は、男女シングルス1回戦の後半になる。男子シングルスには日本期待の錦織圭と伊藤竜馬が登場。現地午前11時スタートの第6コート、1試合目に錦織圭対ステファン・ロベール、2試合目に伊藤竜馬対ポティート・スタレーチェの試合が組まれている。

錦織は、今季の開幕戦として出場したATP250ブリスベンでこそ2回戦止まりだったものの、大会直前のエキジビションマッチ、クーヨン・クラシックではツォンガやロディックを相手に勝利するなど調整は順調の様子。エキジビションマッチの勝敗そのものは参考程度に留めるべきだが、気分的にもいい状態で入れるのはプラス材料だろう。

相手のロベールは31歳のベテランで、過去の最高位は2010年2月の61位という選手。今の錦織なら勝たなければならない相手と言っていいが、フランス選手らしく手札は多いため、どちらかと言えば錦織が苦手なタイプに入る。昨年の全仏では予選から勝ち上がった本戦の1回戦で、トーマス・ベルディフをフルセットの激戦の末に破った曲者でもあるだけに、軽視は禁物だ。

伊藤竜馬の相手のスタレーチェはクレーを得意とする選手だが、ボールをハードに叩く能力は持っており、経験も豊富。長年トップ100以内を維持してきている実力は伊達ではない。伊藤は向かっていく気持ちを強く持って戦い抜きたいところだろう。

トップ勢は男子では昨年優勝で、現ナンバー1のジョコビッチを始め、アンディ・マリーなどが登場し、女子は昨年のウィンブルドン勝者のペトラ・クビトバや、地元期待の昨年の全米勝者サマンサ・ストーサー、復活してきた女王セリーナ・ウィリアムズ、そしてマリア・シャラポワなどが1回戦を戦う。

また、地元オーストラリアの英雄レイトン・ヒューイットがロッド・レーバーアリーナのナイトセッションに入っている。

注目カードはいくつもある。セリーナの相手のタミラ・パシェックは、度重なる故障でアップダウンを繰り返しているが、ボールの力と展開力で勝負できる実力者で、決して楽な初戦とは言えず、セリーナにとってはひとつの試練。

また、全米に優勝したことで「全豪でも勝つ」と地元ファンの期待が沸騰しているというストーサーは、ソリッドなストロークを武器にするソラナ・クリスティアが相手。これまた簡単な試合ではない。
他にもシャラポワは大物喰いで知られる難敵ジセラ・ドゥルコとの対戦で、昨秋の東京で傷めた左足首の回復と、その後の調整具合次第でどうなるかわからない。

1回戦から激戦が期待される今年の全豪。今のツアーの拮抗ぶりを十分に感じられる一日となるだろう。
大会3日目 ★男女シングルスの2回戦がスタート!ナダルがハースとの対戦で最初の試練

大会も3日目を迎え、男女シングルスの2回戦がスタートする。どの大会でも同じだが、シード圏外に落ちているものの、ベテランで試合運びがうまく、大会序盤で当たるのは怖い相手や、今のランキングは低くても、いずれ必ず上がってくる若手実力者とシード勢の戦いは、大体2~3回戦で起きるもの。今大会ではナダルと対戦するトミー・ハースや、ジョン・イズナーと戦うダビド・ナルバンディアン、スタニスラス・ワウリンカと戦うバグダティス、アルマグロが戦うディミトロフなどがそういう選手になる。

1回戦を快勝し、「身体中どこにも痛いところはない」とコメントも強気さを増して来たナダル。しかし、相手のハースも1回戦で20本のサービスエースを奪うなど、いい形で勝ち上がってきているだけに、気を引き締めていかないと危険な相手。フェデラータイプのオールラウンダーであり、超高速のライジングを使えるハースも、相手がナダルとなれば闘志をみなぎらせるに違いない。ナダルにとっては最初の試練となるが、観戦するサイドからの視点で言えば、楽しみな対戦だ。

また、1回戦では2セットダウンからベルダスコに逆転して勝ったバーナード・トミックが、ロッド・レーバーアリーナのナイトセッションに組まれた。「いずれトップ10になるよ。僕がトップ10に入れないなんて考えたこともない」と話したこともあるトミックは、まだ19歳だがその落ち着きぶりはまるで10年選手。相手は昨季の故障と手術から復活途上にあるアメリカ期待のサム・クエリーだが、トミックにとっては相手が誰であろうと関係ないと思えてしまうあたりが、トミックらしさが浸透してきたというところだろうか。タイプ的に言うと両者は静と動。激戦を期待しよう。

女子は好調のアザレンカが、地元のデラクアと対戦する。デラクアは背中や左肩の手術などで苦しみ続けたが、その都度あきらめず復帰してきた選手として、オーストラリアのテニスファンには人気が高い。また、根性系プレーヤー同士の対決だけに、面白いラリーの多い試合になるのではなかろうか。
 
男女ダブルスの1回戦も始まるが、第8コートの3試合目に、日本の藤原里華・森田あゆみ組対クセニァ・ペルバック(カザフスタン)・スローン・ステフェンス(アメリカ)の対戦が入っている。恐らく、2月4日から兵庫のブルボンビーンズドームで開催される、フェド杯スロベニア戦をにらんだダブルスだろう。いい結果を出して、フェド杯につなげて欲しいところだ。

もちろん、フェデラーやウォズニアッキ、スキアボーネやクライシュテルスなど、大会初日を勝ち抜いた強豪たちの試合も組まれているが、上位も徐々にエンジンをかけ始め、下位選手も勝ち上がることで勢いがついているのが大会のこの時期。結果はどうあれ、内容のある試合が多くなるだけに、どの試合を見ても大外れはない。期待していていい大会3日目だ。
大会4日目 ★錦織圭と伊藤竜馬の2回戦!古豪対決:ヒューイットとロディックがナイトセッションで激突!

大会4日目の注目はやはり錦織圭対マシュー・エブデンと、伊藤竜馬対ニコラ・マウーの2回戦だろう。

錦織の相手のエブデンは、24歳で南アフリカ生まれでオーストラリアに移民した家族に育った選手。昨年の楽天ジャパンオープンで予選から勝ち上がり、2回戦でフェレールとフルセットを戦った選手と言えば、テニスファンなら思い出す方もいるのではなかろうか。ランキングはまだ低く、大会開始時のランキングは94位だが、ATP1000上海ではフランスのシモンを下してベスト8に進出するなど、頭角を現しつつある選手で、強力なサービスを軸に、積極的にネットを取ってくるなど、果敢なプレーが持ち味。錦織を相手に「失う物はない」というつもりでぶつかって来られると、厄介な相手だ。

二人の試合が組まれたのはマーガレット・コートアリーナの3試合目というのも、錦織にとってはやや微妙。このアリーナはその構造の特徴として、観客席とコートがかなり近い感覚になるため、地元の観客たちの声援をバックに戦えるエブデンにとっては、雰囲気のいい中で戦いやすい。ちょっとした好プレーで観客が作り出すムードの変化もまた、試合の流れを変えてしまうことがある。錦織は最初から最後まで集中して、きっちりと試合を締めていきたい。

伊藤の試合は第8コートの2試合目。相手のマウーは、2010年のウィンブルドンで、ジョン・イスナーと最終セットだけで138ゲームの死闘を戦って敗れたあの選手だ。ちなみに2006年には京都の全日本室内で優勝した経験もある。

マウーは、高速サーフェスを得意とするサーブ&ボレーが主体の攻撃型プレーヤー。リターンでの威圧感は少ないものの、サービスゲームでの安定感は抜群で、ブレークするのが難しい相手だ。

伊藤には自分のサービスゲームをキープし、その上で相手のサービスにプレッシャーをかけていく正攻法での戦い方が求められる形になるだろう。一度のブレークで持って行かれかねない相手だが、少ないチャンスを自分の物にしていけば勝てない相手ではない。期待したい。

ロッド・レーバーアリーナでは、1試合目から好調ぶりを見せつけている。シャラポワ、セリーナ、ジョコビッチの試合が続けて入るが、ナイトセッションに組まれた2つのカードがなかなか興味深い。まずは地元勢としての人気と期待を背負うドキッチがバルトリと激突し、そして最後に英雄ヒューイットが、ロディックと戦う形になっているからだ。

年間を通じての活躍はなぜかできていないものの、全豪のドキッチは強い。バルトリとの強打の応酬も見ごたえのあるものとなるだろう。 また、元世界ナンバー1同士、現役では数少ないグランドスラムタイトル経験者同士、そして、同じ「ニューボールズ世代」というヒューイット対ロディックは、「スーパーリターナー」として知られたヒューイットに、「スーパーサーバー」のロディックというコントラストで見るのも面白い。

両者の過去の対戦成績はロディックから7勝6敗。2005年以降はロディックの5連勝だが、不思議なことにグランドスラムでは全豪での対戦は今回が初めて。お互いに同じ時代を過ごしたベテラン同士の対決には、独特の雰囲気があるもの。しかも今季の両者は共に復活に向けて眼の色を変えている。絶対に見逃したくない対決だ。
大会5日目 ★ナダルとフェデラーがロッド・レーバーコートに揃い踏み、トミックがドルゴポロフと激突

大会5日目となる20日の金曜日、男女シングルスの3回戦がスタートする。ロッド・レーバーアリーナの第1試合はラファエル・ナダル(25歳、スペイン)対ルーカス・ラコ(24歳、スロバキア)、続く第2試合ではロジャー・フェデラー(30歳、スイス)とイボ・カロビッチ(32歳、クロアチア)のカードが組まれた。この二人がデイセッションを戦うというのも珍しいが、第1試合というのは観客が揃わず、選手によっては敬遠するケースもあるが、逆に歓迎する場合もある。開始時間が決まっているため、準備がしやすいからだ。ナダルは与えられた状況を生かすタイプの選手。今大会では日程が落ち着かないが、ナダルなら自分に有利な形にしてしまうだろう。

フェデラーとカロビッチの過去の対戦成績は、フェデラーの9勝1敗。カロビッチは208cmの高さから最速で250キロに達するサービスで、驚異的なサービスエース奪取率を誇る現代の「エースマスター」。フェデラーと試合も勝敗はともかく接戦となることが過去は多かった。タイブレークまで持ち込んでしまえばあとはワンチャンス。フェデラーからすれば、セットの早い段階でブレークを狙っていくという試合になるだろう。

男子の注目カードはバーナード・トミック(19歳、オーストラリア)とアレクサンドル・ドルゴポロフ(23歳、ウクライナ)。共に次代のスターと期待される若手だが、非常に個性派。変幻自在で捉えどころのないテニスをとるトミックと、魔術師と呼ばれながらもあくまで攻撃的なテニスが身上のドルゴポロフ。今の時期の二人の試合を見ておくのは、今後のテニス観戦のいい話の種になるはずだ。

女子はハイセンス・アリーナの試合が面白そうだ。中でもナイトセッションに組まれたキム・クライシュテルス(28歳、ベルギー)対ダニエラ・ハンチュコバ(28歳、スロバキア )に注目したい。ハンチュコバはダイナミックなサイドチェンジを含め、展開力が最大の武器。クライシュテルスにとっては今大会を占う意味では格好のテスト相手となるはずだ。過去の対戦はクライシュテルスの9勝1敗だが、その1敗が全豪直前のブリスベンでのことだけに、楽観できる状況とは言えないだろう。
 
大会も5日目となり、対戦カードも興味深い対戦が増えてきている。一日中、様々な楽しみ方ができるのが1週目の醍醐味でもある。グランドスラムを満喫したい1日となるだろう。
大会6日目 ★錦織圭の3回戦は第3コートの3試合目、フランスの試合巧者ベネトーと対戦、シャラポワはクルベールとの対戦で試される真価

大会6日目の男女シングルスは、3回戦の後半。2回戦を2セットダウンから大逆転で勝ち上がった錦織圭(22歳)は、これまた2回戦でジル・シモン(27歳、フランス)を相手に壮絶なフルセットを戦って勝ち抜いてきたフランスのベテラン、ジュリアン・ベネトー(30歳、フランス)と対戦する。錦織とベネトーの対戦は2度目。と言っても、前回の対戦は2007年のワシントンでの話で、その時はベネトーが勝ってはいるが、参考程度というところだろう。

ベネトーはフランス勢に時々現れる遅咲きタイプの選手で、プレーそのものに特徴は少ないのだが、試合の流れを読むのがうまく、攻守の出し入れが巧み。どちらかと言えば、最近の錦織が苦手にしているタイプに入る。しかし、手札の数で言えば今の錦織の方が上のはず。相手のペースに乗せられず、自分のリズムで戦えれば4回戦進出が見えてくるはずだ。

男子で他に面白そうなカードと言えば、ロッド・レーバーアリーナとハイセンス・アリーナのナイトセッションに組まれたレイトン・ヒューイット(30歳、オーストラリア)対ミロス・ラオニック(21歳、カナダ)、そしてアンディ・マリー(24歳、英国)対ミカエル・ロドラ(31歳、フランス)の2カードだろう。ベテランのカウンターパンチャーであるヒューイットと、新進気鋭のビッグサーバーであるラオニック、パッシングショットの精度ではツアー随一のマリーと、ベテランのサーブ&ボレーヤーのロドラの対戦は、お互いの長所同士での争いが見られるマッチアップ。テニスを見る楽しさを再発見させてくれる対決だ。

女子ではセリーナ・ウィリアムズ(30歳、米国)やペトラ・クビトバ(21歳、チェコ)などのカードも組まれているが、注目なのはロッド・レーバーアリーナ2試合目のマリア・シャラポワ(24歳、ロシア)対アンジェリーク・クルベール(24歳、ドイツ)。今大会では好調ぶりを見せつけているシャラポワだが、3回戦の相手のクルベールは、シャラポワを相手にきちんと粘れるタイプ。ロングラリーの展開になった時に、シャラポワがゲームを組み立て、主導権を手放さずに試合を終えられるかどうかが試される。ある意味、今大会のシャラポワの今後を占う一戦となるだろう。
大会7日目 ★女子は昨年の決勝のカードが再現、クライシュテルスは李娜の壁を突破できるか? 錦織・クルム伊達のミックスダブルスがスタート

22日の日曜日、大会も7日目となり、いよいよ4回戦がスタートする。グランドスラムの4回戦はどんな強豪にとっても最初の大きな壁。上位シード勢でも、同じくシード選手との対戦となるからだが、女子の4回戦に昨年の決勝のカードが入った。キム・クライシュテルス(28歳、ベルギー)対李娜(リー・ナ)(29歳、中国)だ。クライシュテルスがランキングを落としていることもあって、シード順の関係で言えば李に挑む形になるが、クライシュテルス自身も内心、挑む形で試合に臨むだろう。両者ともに現時点の女子テニス界では屈指のストローク強者。フォアの打ち合いはもちろんだが、お互いに得意とするショットよりも、バックハンドでいかにポイントの起点を作り出せるか、ショットの精度が勝敗の鍵になるかもしれない。注目だ。

男子での注目カードは、ラファエル・ナダル(25歳、スペイン)対フェリシアーノ・ロペス(30歳、スペイン)のサウスポー対決も面白そうだが、ここはやはりロジャー・フェデラー(30歳、スイス)対バーナード・トミック(19歳、オーストラリア)となるだろう。

両者は昨年のデビスカップ(国別対抗戦)で一度対戦していて、その時はフェデラーが勝っているものの、トミックに1セットを奪われている。トミックの成長ぶりは著しい。前回対戦は昨年秋のこととはいえ、フェデラーもすでに過去のこととして考えて試合に臨む必要がある。トミックのペースにはまらず、フェデラーが展開を支配するような展開になれば、さすがのトミックでもお手上げだろうが、攻め急いで先にミスを出し、イライラする悪い時のフェデラーが顔を出すとトミックのペースとなる。地元の声援の後押しを受けるトミックはまた一味違うだろうし、逆にこういう「完全アウェー」時のフェデラーもまた、別の強さを出すことがある。メンタルゲームとして、興味深い対戦だ。

話題の錦織圭(22歳)とクルム伊達公子(41歳)の混合ダブルスもスタートする。試合はマーガレット・コートアリーナの第3試合に組まれ、相手はシュワンク(25歳)/ドゥルコ(26歳)のアルゼンチンペア。ロンドン五輪を睨んでか、各国ともにナショナル・ペアでの出場が目立つ今回の全豪のミックス。五輪の前哨戦と捉えれば、ミックスといえども、いつものようなリラックスムードに溢れた試合とばかりは行かないだろう。クルム伊達は、今回の全豪で1勝もできていないこともあり、間違いなく勝ちにこだわるはずだが、錦織もコートに出てしまえば強烈な負けず嫌い。とにかくまずは日本コンビのいいプレーを期待したい。

大会も後半を迎え、ジュニア部門も始まる。日本ジュニアからも早速、内田海智、斉藤貴史、加藤未唯、二宮真琴、穂積絵莉、小和瀬望帆、尾崎里紗が1回戦を戦う予定だ。1戦でも多くの経験を積み、将来の大活躍につなげてほしい。
大会8日目 ★錦織圭がツォンガと対決、ジョコビッチとヒューイット、イバノビッチとクビトバなど好カードが揃う

全豪8日目は4回戦の後半。23日が終了すると8強が出揃うことになる。日本的にはやはり錦織圭(22歳)とジョーウィルフリード・ツォンガ(26歳、フランス)の試合が注目となる。

錦織とツォンガは昨年秋のATP1000上海で対戦しており、この時は錦織がツォンガの攻撃を封じ切り、最後は焦りを誘いだして6-7(1), 6-4, 6-4の逆転で勝利している。また、全豪直前のクーヨンでのエキジビションマッチでも錦織が勝っており、錦織からすれば萎縮するような相手ではない。

しかし、今大会のツォンガは好調。また、現在の男子ツアーにおいて、真の強豪と呼べる選手の一人だけに、同じ相手に対しての連敗は避けたいはずで、それなり以上の作戦を立てて試合に臨んでくるだろう。過去の敗戦を逆に自分の有利に変えようとしてくるはずだ。錦織はまず、自分のサービスゲームをキープしていくこと、そして、ツォンガに簡単にポイントさせず、無理を強いる展開に持っていければ勝機は十分にある。熱戦を期待しよう。

男子上位勢のカードでは、ノバク・ジョコビッチ(24歳、セルビア)とレイトン・ヒューイット(30歳、オーストラリア)の対戦に注目したい。ジョコビッチも好調を維持しており、今大会ではまだ1セットも落としていない。対するヒューイットは激戦を繰り返しながらも、徐々に実戦の感覚を取り戻してソリッドさが増している。当然、疲労も出てくる頃だが、コートに立ってしまえば闘志で何とかしてしまえるのがヒューイットだ。接戦に持ち込めれば、地元の有利さを生かした戦いに持って行ける可能性もある。お互いに相手に打たせてカウンターを取るプレーが生命線とはいえ、自分のテニスを崩さざるをえなくなった方が不利になる。序盤の主導権の取りあいをどちらが制するか、それが最初の注目点となるだろう。

注目の試合は、ハイセンスアリーナの第2試合で行われる。(第1試合の開始は日本時間午前9時)

女子ではハードヒッター同士の対決であるサビーネ・リシキ(22歳、ドイツ)対マリア・シャラポワ(24歳、ロシア)も興味深いが、復活の兆しが見えているアナ・イバノビッチ(24歳、セルビア)と、次期女王候補筆頭のペトラ・クビトバ(21歳、チェコ)の戦いに注目したい。このところのイバノビッチは、勝ち進んでいても大会の4試合目前後で失速する傾向が強いが、かつてのナンバー1であり、2008年の全仏を制覇した実績は伊達ではない。才能で言えば今もトップクラスのものを維持しているだけに、クビトバを倒せるポテンシャルは持っている。現時点ではクビトバの一方的な試合になる可能性も高いが、イバノビッチが最初から畳み掛けられれば勝負もわからなくできる。女子テニスに華を添える存在として、イバノビッチの復活は待望久しい。好ゲームを期待しよう。

また、女子ダブルスで勝ち残っている藤原里華(30歳)/森田あゆみ(21歳)組の2回戦もある。相手はチェコの第7シードのアンドレア・フラバコバ(25歳、チェコ)/ルーシー・フラデカ(26歳、チェコ)組。1回戦に続き強豪との対戦だが、これに勝てば8強入りが果たせる。奮闘を期待したい。

他には日本のジュニア勢の1回戦。日比野菜緒、澤柳璃子、大西賢のシングルスと、各ダブルスが組まれている。ジュニアたちにとってもグランドスラムの会場で戦う経験はこの先のテニス選手生活では貴重な経験となる。1戦でも多く勝ち抜いてほしいところだ。
大会9日目 ★いよいよ準々決勝がスタート、デルポトロがフェデラーに挑戦、手負いのクライシュテルスはウォズニアッキとの勝負

いよいよ大会も終盤。24日に男女の準々決勝がスタートする。ラファエル・ナダル(25歳、スペイン)はトマーシュ・ベルディハ(26歳、チェコ)と、ロジャー・フェデラー(30歳、スイス)はフアンマルティン・デルポトロ(23歳、アルゼンチン)と対決し、女子はキャロライン・ウォズニアッキ(21歳、デンマーク)がキム・クライシュテルス(28歳、ベルギー)、ビクトリア・アザレンカ(22歳、ベラルーシ)はアグニエシュカ・ラドワンスカ(22歳、ポーランド)と戦う。どのカードも見逃せないが、やはり男子は2009年全米決勝の再現となるフェデラー対デルポトロ、女子はクライシュテルスとウォズニアッキのカードに注目したい。

フェデラーとデルポトロは過去9度の対戦があり、フェデラーの7勝2敗。最後の対戦は昨年夏のシンシナティで、この時にはフェデラーが勝っているが、前述した2009年全米ではデルポトロが勝って優勝している。デルポトロは昨年末のデビスカップ(国別対抗戦)決勝でスペインのナダルとフェレールに2敗したものの、その内容は近年では最高の出来で、この全豪にもそのままの勢いを維持しているように見える。

一方のフェデラーは前哨戦のATP250では背中の痛みを訴えて準決勝を辞退していた。彼が大会を途中で辞退するのは極めて珍しく、状態も心配されたが、あくまでも大事を取ってのことだったようで、全豪では好調ぶりを見せつけている。

両者ともにフォアハンドの攻撃が生命線。しかし、フェデラーは打点に関係なく、どこからでも攻撃に転じる器用さを持っているが、デルポトロのフォアの場合、高い打点からのそれは脅威だが、低い打点からだとフェデラーの守備力を崩せるほどのボールは持っていない。また、バックハンドも球種においてフェデラーに分があり、ネットプレーもフェデラーの方が上。過去の対戦成績もそうした差からのものだろう。

とはいえ、フェデラーの気持ちが受身に回ってしまえば、デルポトロが嵩に懸かって攻めて来るだろうし、それを大きな受けとめて打ち破るのはフェデラーでも困難を極めるはず。フェデラーは終始先手を取って攻め続けたいところだ。鍵となるのはサービスの精度。お互いにセットに1つ来るか来ないかというチャンスを物にできた方がそのセットを取る形になるだろう。緊張感の高い熱戦が期待できる。

女子は第1シードのウォズニアッキが、前年覇者のクライシュテルスと対決する。ランキングやシード順ではウォズニアッキの方が上とはいえ、この関係における挑戦者はウォズニアッキ。過去の対戦ではクライシュテルスの2勝。それも全米と最終戦という大きな舞台での対戦であり、また、このオフのエキジビションマッチでのクライシュテルスの復帰戦でも、ウォズニアッキは負けている。

ウォズニアッキの強さはその圧倒的な守備力にあるのだが、クライシュテルスはそれに付き合わず、ポイントをショートカットして攻めていく力を持っている。二人の相性の悪さもそこに起因するのだが、問題はクライシュテルスが4回戦で左足首を傷めているという点。本人はバックサイドの守備で少し影響がある程度と話していたが、フットワークが武器でもある彼女にとっては大きな戦力ダウン。クライシュテルスからすると、ポイントを早めに奪いに行く戦術を取らざるをえない場面が増えるだろうが、ほんの半歩の遅れでミスを強いられるのがこのレベルでのテニス。状況はイーブンか、むしろクライシュテルスに不利な要素も多い。

男女ともにほんの小さな違いが勝敗に直結するレベルになってきている。見る側としても、緊張感を持って彼らの戦いぶりを見つめたい準々決勝になった。

※写真はフェデラーとクライシュテルス
大会10日目 ★男女準々決勝、錦織圭が第4シードのアンディ・マリーに挑戦

全豪オープンは25日、錦織圭(22歳)が、男子ツアー「4強」の一角であるアンディ・マリー(24歳、英国)に挑戦する。

舞台はグランドスラムの準々決勝、会場はセンターコートであるロッド・レーバーアリーナの第3試合と、最高の環境での対決だ。過去の対戦成績はマリーの1勝。昨年秋のATP1000上海の準決勝で戦った時には6-3、6-0というスコアで錦織は敗れている。

だが、その後の錦織の成長もあり、今大会での勢いもある。確かにマリーは強敵で、リターンの精度とバックハンドの威力と自在性は現時点では最高と言ってもいい。しかし、錦織のストローク力なら十分に対抗は可能。また、マリーは自分から打たされる状況で弱みを見せることもあるため、錦織も自分から攻めるだけでなく、緩急をつけたテニスでマリーに的を絞らせないように戦いたいところ。

また、マリーは基本的に固い守備力をベースに自分のテニスを組み立てているタイプ。錦織が試合の中で、マリーの守備力を打破する手段を見つけ、相手を崩すシーンを数多く作れれば、マリーのテニスの根幹を狂わせることもできるだろう。攻守の切り替えとバランスが鍵になる。錦織はその点では天才的なところがあるだけに期待したい。とにかく、負けても何も失う物はない、という気持ちを持って前向きにコートに立てば、あとは何が起きるか分からない。

もうひとつの準々決勝は第1シードのノバク・ジョコビッチ(24歳、セルビア)と、第5シードのダビド・フェレール(29歳、スペイン)。共に超絶の守備力を誇る両者の過去の対戦は、ジョコビッチから6勝5敗と拮抗している。直近の対戦は昨年末のツアー最終戦で、フェレールが勝っている。この時のジョコビッチの状態は最悪に近い状況だったとはいえ、それ以前も勝ったり負けたりで、常に接戦を戦って来た。フェレールのランキングは5位。つまり、「4強」に次ぐ存在。連覇を狙うジョコビッチにとって、「4強」以外では最も手強い相手だ。好試合を期待したい。

女子はペトラ・クビトバ(21歳、チェコ)がサラ・エラニ(24歳、イタリア)と、マリア・シャラポワ(24歳、ロシア)がエカレリーナ・マカロワ(23歳、ロシア)との対戦となる。エラニはストーサーが早期敗退したゾーンを勝ち抜いて来たラッキーガール。クビトバは幸運だけで倒せる相手ではないが、こういう何かを持っている選手というのは時に大仕事をすることもある。軽視は禁物だろう。

マカロワは故障で動きに精彩を欠いていたとはいえ、あのセリーナ・ウィリアムズ(30歳、米国)を下して来た自信は武器になる。シャラポワにといえども、油断していると危ない。

勝てばベスト4進出というのを、プレッシャーに感じるか、チャンスと捉えるか。そんな部分も勝負の鍵を握るのが準々決勝の醍醐味だ。注目したい。
大会11日目 ★世界一豪華な木曜日、女子SFはクライシュテルス対アザレンカ、シャラポワ対クビトバ、男子は「クラシック」ナダル対フェデラー/全豪オープン11日目見所

全豪オープンの11日目(1月26日)のチケットを持っていた観客は幸運だ。男女の準決勝には、近年稀に見るレベルの超豪華なカードが出そろったからだ。

女子準決勝はいずれも現代を代表するパワーヒッター揃い。ビクトリア・アザレンカ(22歳、ベラルーシ)を除いて全員がグランドスラムタイトル経験者で元ナンバー1。さらに、キム・クライシュテルス(28歳、ベルギー)以外の3人は次週のナンバー1候補と、単に決勝進出を争うだけではない要素がてんこもりとなっている。

クライシュテルスとアザレンカは、パワフルなストロークが武器という選手同士。しかし、攻撃力は展開次第でほぼ互角だが、守備力、戦術、経験などほぼ全ての面でクライシュテルスが上を行く。アザレンカは先手を取ってクライシュテルスを振り回し、常に動かして打たせる展開を作りたい。逆に言えば、それができなければ相当苦しくなる。クライシュテルスは4回戦で左足首を傷めたが、準々決勝の様子を見る限りでは、大きな影響は感じられない。ただし、試合開始時間が午後1時30分以降と、最も暑くなる時間帯になるのがどんな影響を及ぼすか? 全豪にはエキストリーム・ヒート・ポリシーが存在し、一定レベル以上の暑さとなれば、屋根を閉めて空調を入れるルールはあるが、クライシュテルスが最も気にしているのはこの暑さ。約半年のブランクがある彼女にとって、今回の連戦も久々のこと。体力的にそろそろ辛くなる時期だけに、環境的な要因が心配される。

マリア・シャラポワ(24歳、ロシア)とペトラ・クビトバ(21歳、チェコ)は昨年ウィンブルドン決勝の再現。リベンジに燃えるシャラポワは「この対戦を楽しみしていた。同じ相手に何度も負けるわけにはいかない」とコメントするなど、闘志を露にしている。

両者ともにサービスとリターンが鍵。ロングラリーよりも3本目までにポイントを決しにくる早い展開を好む二人だけに、一瞬の間の取り合いの勝負となるだろう。少しのほころびが勝敗を左右する、そんな緊張感のある戦いが期待できそうだ。

さて、男子の準決勝だ。過去幾度もグランドスラムの決勝を戦い、両者のGSタイトルを合わせるとなんと26勝という21世紀初頭最高のライバル関係と言われるラファエル・ナダル(25歳、スペイン)対ロジャー・フェデラー(30歳、スイス)がここで激突する。

過去の対戦成績はナダルから17勝9敗だが、ハードコートに限って言えば、5勝4敗でフェデラーがリードする関係。全豪では2009年の決勝でナダルが勝って以来の対決となる。フェデラーは相手がまだナダルになるかトマーシュ・ベルディハ(26歳、チェコ)になるかわからなかった時点ですでに「できればラファと戦いたいね。全豪では決勝で戦って以来だから」とコメントするなど、ナダルとの対戦を楽しみにしている様子で、一方のナダルもまた「彼との試合はいつ、どんなラウンドだとしても特別だ」とし、「試合の最初から集中して、全力で戦う。いつもそうしているようにね。すごくタフで難しい試合になるだろうけど、トライするよ」と話している。この二人の対決には言葉は必要ない。それがたとえどんな試合、どんな結果であろうと伝説になるレベルの選手同士の戦いだ。絶対に見逃さないでほしい。
大会12日目 ★男子準決勝、ジョコビッチ対マリー、マリーの悲願は叶うのか

大会12日目の27日は、男子シングルスの準決勝と女子ダブルスの決勝がメイン。男子準決勝は現地時間で午後7時30分(日本時間午後5時30分)以降のスタートとなっているため、いわゆるナイトセッションとしての開催だ。

対戦するのは現世界ナンバー1にして、昨年のグランドスラム3冠、もちろん昨年の優勝者でもあるセルビアのノバク・ジョコビッチ(24歳)と、「4強」の一角と言われながらも、まだグランドスラムタイトルがないイギリスのアンディ・マリー(24歳)。昨年決勝のカードの再現だ。

両者の過去の対戦成績はジョコビッチの6勝4敗で、直近の対戦は昨年夏のATP1000シンシナティで、マリーが勝っているのだが、この時はジョコビッチの途中棄権による勝利だった。

両者ともに堅い守備をベースにしたカウンターパンチャー。さらに両者ともに現在のツアーで最高と言われるバックハンドを持っている。タイプ的には似たもの同士の対決だ。「イワン・レンドルがコーチに就いてからのマリーのプレーは良くなっている」とジョコビッチも警戒心を言葉にしているが、前年の全豪決勝でジョコビッチにストレートで敗れたマリーは「この1年の自分の成長ぶりを試したい。ジョコビッチとの試合を楽しみにしている」と話しており、お互いに自信を表に出している。

相手を罠にはめ、チャンスボールを誘いだしてカウンターを取るのがジョコビッチなら、マリーはコースを自分から変えて展開を作り、それでこじ開けた隙を突くのを得意としている。逆に言えば、お互いに得意の形に持ち込みたいなら、ジョコビッチはマリーに展開をコントロールさせず、先に仕掛けていく必要があり、マリーからすればジョコビッチの予測を狂わせるようなテニスが必要になる。

心配されるのは、準々決勝でジョコビッチが左足の太ももを傷めたような素振りを見せていたこと。機動力は彼の最大の武器なだけに状態次第では大きな不安要素になる。「どこにも問題はない」とジョコビッチは断言しているが、勝っている間に選手から出てくる調子や、フィジカルに関するコメントほど信用できないものもない。本当に悪いのか、影響がないのかは試合でのパフォーマンスだけが真実を語る。まずは序盤のジョコビッチの動きに注目が必要だろう。

マリーにとっての全豪は、2010年と11年の2年続けて準優勝に終わった舞台。悲願の優勝には、まずはナンバー1のジョコビッチを倒さなければならないが、マリーが今季から新たに迎えたコーチのイワン・レンドルは、数々の大舞台を経験してきたかつての王者。マリーにも様々な戦術を与えてコートに送り出すだろう。そして、マリーは様々な戦術を実行できる能力がある。ラケットでボールに触れさえすれば、自在に面を操作してコントロールできるのがマリーの持ち味。タッチのセンスということで言えば、フェデラーに匹敵、あるいはそれ以上の感覚を持っている選手だ。

戦術と駆け引き。そしてライン際での攻防。そこに妙味のある対戦が期待できそうだ。
大会13日目 ★女子決勝:実績のシャラポワか、アザレンカの初優勝か、予測できないハイスピードバトル

いよいよ大会も大詰め。大会13日目となる28日には、女子シングルス決勝が行なわれる。対戦するのは第3シードのビクトリア・アザレンカ(22歳、ベラルーシ)と、第4シードのマリア・シャラポワ(24歳、ロシア)。

過去の対戦では3勝3敗のタイ。直近の対戦は昨年初夏のローマで、シャラポワが勝利しているのだが、この時はアザレンカの途中棄権。準決勝後の記者会見で「最近、彼女には連敗している」とシャラポワは言っているのだが、彼女の中では同年のマイアミ、2010年のスタンフォードの決勝で2度当たり、2連敗しているのがかなり印象に残っているのだろう。

「大事になるのは戦術」。シャラポワはそう話している。そして「彼女は相手に余計にボールを打たせようとしてくるだけでなく、同時に攻撃的でもある。私は私らしく攻撃的にプレーする必要があると思う。守備的な展開を強いられたら、かなり危ないと思っているわ」と続けた。このオフの間に鍛えられ、安定感が増したアザレンカのプレーについて、相当の警戒心があるところをうかがわせた。

一方のアザレンカは、シャラポワについて「この全豪での決勝はもちろん、優勝したこともある。経験豊富でタフな相手なのは間違いないわ。難しい試合になると思うけど、戦うのは楽しみ」と話している。

両者ともに先制攻撃型のプレーヤーで、自分から先に仕掛けて崩し、トドメを刺すのがスタイル。それもかなり早い展開を好み、ロングラリーで組み立ててというよりも、3本目にはポイントを狙っていくタイプだ。少しでボールを浮かせてしまえば即攻撃してくる相手。お互いにそう考えていることだろう。

こういう関係性の選手同士が戦う場合、ノーガードの打ち合いになるか、お互いに慎重になる中、先にミスを出した方がリードされる接近戦のどちらかになりがちだが、競った展開になった時に物を言うのはサービス力と、冷静さを保ち、最後の最後までボールと勝利に執着するメンタル。準決勝でのダブルフォールトが10本を超え、サービスにやや不安を見せたシャラポワに対して、アザレンカは今のところ技術的な部分での隙を見せていない。

アザレンカは初のグランドスラムの決勝。シャラポワは相手が緊張しているであろう序盤から一気に攻勢に出て、主導権を握る短期決戦が理想的な展開だろう。逆にアザレンカからすれば、ナーバスになってしまうのはある程度受け入れて、序盤に突き放されずに付いていければ、勝機も見えて来るはず。第1セットの攻防と、サービスとリターンの入り具合が鍵を握るだろう。

女子では安定感が抜群のウォズニアッキが君臨していたことで、GS無冠のナンバー1が長く続いていたが、今回は勝った選手が次週でランキング・ナンバー1。2012年最初の真の女王決定戦となる。激戦を期待したい。

注目の決勝戦は、メインコートとなるロッドレーバーアリーナで現地午後7時30分(日本時間午後5時30分)以降に開始される。
大会最終目 ★ナダルは対ジョコビッチの連敗を止められるか

全豪オープンも29日に最終日を迎え、いよいよ男子シングルス決勝だ。第1シードと第2シードの対決。波乱の予感もあった全豪だったが、やはりノバク・ジョコビッチ(24歳、セルビア、写真左)とラファエル・ナダル(25歳、スペイン、写真右)は強かった。

両者の対戦成績はナダルから16勝13敗。ただし、昨年6度あった対戦はナダルが6連敗。しかもハード、クレー、芝と全てのサーフェスで敗れている。

全豪の場合、男子の準決勝は木曜日と金曜日に分割されて実施されており、ナダルには丸2日のインターバルがあり、ジョコビッチは中1日となっている。両者ともに準決勝では激戦を戦ったが、4時間50分のロングマッチを戦ったジョコビッチには回復のための時間が少ない形になった。

「僕たちはこういうスケジュールには慣れている」とジョコビッチは話しているものの、「できる限りのことをして、最善の状態で決勝を戦いたいと思っている。ラファはフィットしているみたいだし、僕はこの大会に勝ちたい」とし、「決勝をしっかりと戦うには、身体の回復がまず重要だ」とも話している。対ナダルで6連勝していることに対しても、「すでに新しい状況が始まっている」とまったく楽観はしていないようで、「もし、すべてがうまく運べば、僕が勝てると信じている」と彼自身も気持ちを新たにしているようだ。

さらに、ナダルとフェデラーの試合を見ていたというジョコビッチは、「ラファはロジャーを相手に信じられないようなプレーを続けて逆転した。それができたのは彼がチャンピオンであり、過去にテニスという競技をした選手の中でも最高の選手の一人であり、決して諦めないファイティングスピリットを持っていて、ほとんど弱点がないから。決勝でも闘志を燃やして来るだろうね。でも僕も同じ気持ちだ」とも話している。

一方、ナダルは、ジョコビッチ対マリーの準決勝について「第3セットの始めぐらいまで見ていて、夕食に行ったんだ。戻って来たらまだやっていて、第4セットの4-1だった。その後は最後まで見たよ。すごい試合だったね」と話しながら、かなり細かく見ていたようで、二人のプレーを分析しつつ、「テレビで見ていても素晴らしい試合だった。感動的だったよ」と続けた。翌日の土曜日に彼が2時間に及ぶ練習を精力的にこなしたのは、彼らの影響もあったのかもしれない。

しかし、「相手が誰であろうと、グランドスラムの決勝で戦う相手は、現時点で最高の選手」というのがナダルらしいところ。ジョコビッチ相手だからと特別視はしていないと強調しつつも、「僕にとっては大きなテストになる」とも話している。

ナダルは自分のテニスをさらに攻撃的に改良中とのことだが、まだ完成には数ヶ月が必要と語っていて、「今は今できるプレーを全力でやるだけ」と付け加えた。

昨年の連敗ではジョコビッチに完全にプレーの傾向を読まれ、ラリーでまったく主導権が握れなかったことが敗因だったが、それに対する準備はまだ完全ではないという。

状況的にはどちらに有利とも言いがたいが、確実なのは両者ともに全力で戦える状況でなければ、絶対に勝てない相手と戦うということだけ。激闘を期待しよう。

注目の選手

  • ノバク・ジョコビッチ
    ノバク・ジョコビッチ
    世界ランク1位、24歳、セルビア
    昨年は全豪を含めグランドスラム大会で3勝、世界1位に輝いた。ナダル、フェデラーにも大きく勝ち越し現在の実力はNo1。
  • ラファエル・ナダル
    ラファエル・ナダル
    世界ランク2位、25歳、スペイン
    終盤、肩など痛め調子を落としたが、大一番での集中力は抜群。ジョコビッチに首位の座を奪われたが、今季に懸ける思いは強い。
  • ロジャー・フェデラー
    ロジャー・フェデラー
    世界ランク3位、30歳、スイス
    昨年はグランドスラムタイトル0個に終わったが、30歳になっても切れのあるプレーは健在、他の上位陣の調整状況次第では。
  • アンディー・マリー
    アンディー・マリー
    世界ランク4位、24歳、英国
    4大大会初制覇に懸ける今年。4大大会では常に上位進出する安定した実力をもつ。あとは爆発力だけか。
  • 錦織圭
    錦織圭
    世界ランク26位、22歳、日本
    ついに4大大会のシードまでランキングを上げた錦織。2008年の全米4回戦を超える成績を狙う。エアーK炸裂なるか。
  • キャロライン・ウォズニアッキ
    キャロライン・ウォズニアッキ
    世界ランク1位、21歳、デンマーク
    世界ランク1位でシーズンを終えたウォズニアッキ。安定感はNo1だが、あとは課題の攻撃力を身につけ、悲願のタイトルを狙う。
  • ペトラ・クビトバ
    ペトラ・クビトバ
    世界ランク2位、21歳、チェコ
    昨年ウィンブルドンで電撃優勝し一躍、次期女王候補に。決定力のあるサウスポー。
  • マリア・シャラポワ
    マリア・シャラポワ
    世界ランク4位、24歳、ロシア
    昨年は肩の故障も癒え、ウィンブルドン準優勝で完全復活。2008年に優勝している全豪で頂点を狙う。
  • キム・クライシュテルス
    キム・クライシュテルス
    世界ランク12位、28歳、ベルギー
    ディフェンディング女王。母親となって復帰後3度のグランドスラム優勝を誇る。安定度はピカ一。
  • クルム伊達公子
    クルム伊達公子
    世界ランク81位、41歳、日本
    昨年は相手にも研究されスランプを経験。シーズン終盤にはITFを転戦し100位内に。再び、ライジングで上位選手を脅かす。

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